沖縄県読谷村(よみたんそん)の残波岬沖で10月、シュノーケリング中に海に流され、荒波が押し寄せる岩場で孤立していた那覇市の20代女性を米海兵隊員が救助していたことが4日、関係者への取材で分かった。米海兵隊は11月6日、英雄的行為にあたるとして救助に携わった7人を表彰した。
那覇海上保安部によると、10月12日午後4時50分ごろ、ビーチで泳いでいた女性が見当たらないと118番通報があった。女性は遊泳中に海に流されたとみられ、第11管区海上保安本部(那覇)は巡視船とヘリコプターを派遣。地元消防も水上オートバイ3艇で付近の捜索にあたった。
ただ、消防隊員が現場に駆け付けたときにはすでに女性はビーチに無事戻っており、事情を聴いたところ、通報約20分前の午後4時半ごろ、米国籍の男性らに救助されていたと分かった。
現場に急行したニライ消防本部読谷消防署は「岩にしがみついていた女性を助けた米国籍の人から名前は聞いたが、所属の確認は取れなかった」(担当者)という。
この米国籍の救助者らは米海兵隊だったことが判明。第31海兵遠征部隊海兵中型ティルトローター中隊のクルーチーフ、ジャレッド・ビーチー上等兵▽ジョシュア・スティーブンス伍長▽ヘリコプター機体整備士、セロン・デュベイ伍長-の3氏に海軍・海兵隊表彰メダルが授与された。
また、同隊クルーチーフのウィリアム・リーグラー伍長▽スコット・デター伍長▽ヘリコプター整備士のウィリアム・オレ伍長▽飛行ライン整備士のロバート・エスカミラ伍長-の4氏には表彰状が贈られた。
沖縄に所在する米海兵隊第31海兵遠征部隊の指揮官、クリストファー・P・ニジオカ大佐は産経新聞の取材に「自らの危険を顧みず、海に入った海兵隊員たちは、われわれが沖縄にいる理由を改めて想起させてくれた。彼らと任務を遂行できることをうれしく、誇らしく思う」と語った。(大竹直樹)