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南海トラフ臨時情報1カ月 依然必要な備え 政府、運用改善へ対応検証

産経ニュース 2024年9月5日 18時1分

南海トラフ地震臨時情報の「巨大地震注意」が発表されて8日で1カ月。政府は地震発生時にすぐに避難できる態勢の確保など「特別な注意の呼びかけ」を終えたが、臨時情報が解除されることはなく、依然として日頃からの備えが必要だ。一方、臨時情報が住民の行動変容につながったかは不透明で、政府は運用改善を視野に一連の対応を検証する。

気象庁は8月8日夕に宮崎県沖の日向灘で発生したマグニチュード(M)7・1の地震で地震発生の確率が「相対的に高まった」として令和元年5月の制度開始から初の臨時情報を発表。29都府県707市町村の住民に日頃の備えの再確認に加え、就寝時に非常袋や履きなれた靴を枕元に置くなどの対応を呼びかけた。

その後、プレート(岩盤)境界に影響を与える異常な変動は観測されず、1週間後の15日に特別な措置は終了した。

臨時情報は日常生活を維持しながら巨大地震への警戒を高めるのが趣旨だったが、一部鉄道が運休し、海水浴場が閉鎖されるなど経済活動に少なからず影響が出た。

南海トラフ地震臨時情報 東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。令和元年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が発生した場合や、異常な地殻変動を観測した際、気象庁が有識者による評価検討会を臨時開催し、巨大地震との関連を調査、判断する。M8以上の地震が起き、後発地震の可能性が高まったと評価されると、危険度が高い「巨大地震警戒」が出て、沿岸住民らは1週間の事前避難を求められる。M7以上、M8未満と評価された場合は「巨大地震注意」が出る。

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