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能登地震で被災の高校書道部が描いた「あばれ祭」の書、NFTアートに 復興、希望、祈願

産経ニュース 2024年7月4日 17時47分

能登半島地震で大きな被害を受けた石川県能登町で5、6両日に行われる伝統祭礼「あばれ祭(まつり)」を題材にした「NFT(非代替性トークン)」つきデジタルアートが、全日空(ANA)グループのインターネット上の市場で販売されている。制作したのは町内にある県立能登高校書道部で、販売収益は全額、復興支援に充てられる。

能登高書道部は、巨大な紙に文字や絵を描く「書道パフォーマンス」を2012年から続けている。地震後の1月24、25両日には、「復興再生」と大きく記した書を制作。断水が続く中、積もる雪を溶かして墨を入れる桶を洗い、湧き水で筆を洗った。

作品は縦3・5メートル、横5メートル。こんなメッセージもつづられていた。

「能登に向かう県内他県ナンバーの多さに涙が出る」

「復興支援のステッカー横断幕に勇気をもらう」

「みんなで前を向いて進む」

町役場1階の吹き抜け空間に飾られ、被災者を元気づけた。

今回のデジタルアートは、町で350年以上続く奇祭として知られるあばれ祭をテーマに書き上げた作品。部員6人が「復興」「希望」「祈願」の文字それぞれに願いを込め、こんな文章も添えた。

「三度の飯よりまつりMATSURI 祭

こんな時こそ祭りやらんとね

祭りくらいほぞこかんか

声枯れるまで騒がんかいね

祭りがあるから頑張れる」

販売サイトを運営する全日空グループは、能登半島の真ん中にある能登空港が2003年7月7日に開港して以来、羽田便を運航し続けてきた。今回の地震でも滑走路が傷つく中、1月27日には臨時便で週3日の運航を再開、4月26日から1日1往復の定期便を再開した。

こうした縁から今回、NFTつきデジタルアートの出品、販売を買ってでた。複製不能なデジタル資産が1点5千円で1千点出品され、4日夕の時点で40点販売された。全日空は「販売収益は全額、復興支援に充当させていただく」としている。

同校書道部は3年1人、2年3人、1年2人の計6人。今月28日には、愛媛県で開かれる「第17回書道パフォーマンス甲子園」に「復興応援枠」として、能登空港に近い日本航空石川高校とともに初出場する。

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