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石川・能登半島で救助活動、地震や豪雨の被災地で活躍した警察のはたらく車 こちら警視庁災害対策課

産経ニュース 2024年12月25日 8時10分

元日の大地震に加え、9月には豪雨災害にも見舞われた石川県の能登半島。現地には多くの警察官が派遣され、救助活動や交通整理に当たった。警視庁災害対策課はX(旧ツイッター)で、能登で初めて現場に投入した重機を公開。地震から間もなく1年となるのを機に、今年能登で活躍した警察車両を取材した。

現場初投入の重機

《無線で遠隔操作でき、先端のアタッチメント(付属装置)を交換することで掴(つか)む、運ぶ、掘る等様々(さまざま)に、災害現場で使える優れものです》

同課は11月、豪雨被災地の能登で活動した多機能重機車「ボブキャット」を、こう紹介した。

平成29年、全国で初めて警視庁が導入した。先端部は用途に応じ、土砂運搬に使う「バケット」、倒木を運ぶ「つかみ機」など7種類に変更可能。操縦は、運転席でも、リモコンで離れた場所からでもできるため、倒壊の危険がある家屋内や、斜面などでも活動できるという。

がれきや土砂撤去

救助の際、がれきや土砂の撤去に活躍するのが「災害救助用バックホウ」。能登では地震、豪雨両方に派遣された。ボブキャットと同様、アームの先端がつかみ機かショベルに付け替えられるが、アームが長く、掘削作業に向く。複数のサイズがあり、いずれもトラックなどで現場に運ばれ、降ろして使う。

警視庁では、こうした重機を使うため車両の運転免許を取得した上で、一定時間の講習を受ける必要があり、さらに操作に習熟するには日頃の訓練も欠かせない。同課特殊救助隊の和田純一警部(52)は「どの隊員も使えるように、免許の取得や訓練を続けている」と話している。

隊員支えるトイレ

外観は機動隊のバスのようだが、よく見ると車両の脇だけでなく後ろにも乗り込み口がある。被災地で活動する隊員を支える「災害用トイレカー」は、1月の地震で派遣された。

「被災地のトイレ需給を、われわれが圧迫しないようにしている」と和田さん。車内は壁で仕切られており、脇から入れば男性用の大小便器が並び、後ろから入ると女性用便器がある。排泄(はいせつ)物は車両内で燃やして処理することができるという。

機動性の小型車両

能登では道路が地割れなどで破損し、大型車両や重機の通行を阻んだ。そこで活躍したのが「多目的災害用車」と呼ばれる、四輪駆動の軽ワゴン車だ。4人乗りだが、後部座席を倒せば資材を積み込める。

能登半島地震を教訓に、同課では小型車両を活用した人員や資機材を運ぶ訓練を強化。和田さんは「現地の警察や先行した隊員から、道路状況に合わせてどんな車両や装備が必要か、情報を集めることが何より重要だ」と話している。(橋本昌宗)

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