阪神大震災で児童8人が犠牲になった兵庫県芦屋市の市立精道小では17日、6年の児童の進行による追悼式が行われた。亡くなった児童の人数と同じ8回の鐘を鳴らし、児童約600人と遺族らが慰霊碑に向かって黙禱をささげた。
追悼式では、当時同小1年の長男と、入学予定だった幼稚園児の長女を失った米津勝之(かつし)さん(64)が「この学校の震災学習に参加したとき、6年の児童が見聞きしたことを単に下級生に伝えるだけでなく、『語り合う』形へと進化を遂げたのを目の当たりにした」と述べ、「震災を知らなくても、こうして伝え、聞き、語り合ってつないでいくことで、思いは時空を超えていくと信じている」と児童らに語りかけた。
6年代表の児童会会長、岸大成さん(12)は「僕は震災を知りませんが、被災した方々の話を聞き、語り継ぐことの意味を改めて考えることができました」と震災学習を振り返り、「語り継ぐことで、亡くなった人々が心の中で生き続けることになる。大切な人を失った方々の苦しみを知り、僕は精いっぱい生きていこうと思います」と誓った。