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能登半島地震、1次避難所になお800人超の被災者 半年を超える集団生活に疲弊の色

産経ニュース 2024年7月18日 10時21分

最大震度7を観測し、関連死を含め299人が犠牲になった能登半島地震。発生から半年が過ぎても、被災地の体育館や公民館などに設けられた1次避難所には800人超の被災者が身を寄せ、集団生活に疲労の色もにじむ。避難所の集約や閉鎖が進み、開設数はピーク時から大幅に減ったが、なお継続的な支援が求められる。

石川県のまとめでは、1次避難所の県内開設数(7月9日時点)は、被害が甚大だった輪島市や珠洲市を中心に6市町で55カ所。ほか他市町民を受け入れる広域避難所7カ所を含め計835人が避難を続ける。その大半は仮設住宅の入居待ちや、自宅の修繕を待つ被災者だという。

体育館などの避難所では熱中症のリスクなどが高まる夏季に向け、空調設備やシャワー室、洗濯機なども整備された。輪島市内の避難所に身を寄せる60代の女性は「地震の発生直後から設備は改善され、過ごしやすくなった。よく知る人が集まっているので、プライバシーの問題も特に感じない」と話す。

一方で「いつ出られるのか」といった不安の声も上がる。同市の避難所に身を寄せる60代の男性は「7月中か8月には仮設住宅に移れると聞いているが、明確な日が分からない。避難所生活には慣れてきたが、心配だ」と顔を曇らせる。

石川県内の1次避難所はピーク時に約400カ所以上開設され、計3万4千人超が身を寄せた。以降、集約や閉鎖は進んだが、輪島市では今も19カ所で256人が過ごす。市は仮設住宅への入居完了が見込まれる8月末を目標に避難所を閉鎖する方針を示すが、半年以上も避難所生活で被災者の表情には疲弊も垣間見える。300人が滞在する珠洲市は、閉鎖の方針はまだ決まっていない。

避難所にいる被災者の中には、経済状況から自宅の改修が進まないことや、自宅周辺の被災状況を心配して戻りたくないといった理由から、「まだ避難所は必要」との声も一部で上がっているという。被災自治体は今後、アンケートや個別の聞き取りも進め、閉鎖の是非を含めた対応を検討していく。(堀口明里)

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