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「何もなければ」…迫る台風10号、京都の野外水槽でも対策

産経ニュース 2024年8月30日 16時3分

京都府は30日、台風10号の接近に伴い、部局長らを集めた連絡会議を開いた。西脇隆俊知事は「必要と判断された場合、躊躇(ちゅうちょ)せず早めに避難してほしい」などと注意喚起した。府内では関係者が機材の固定などの対策を進めるとともに、被害が出ないことを祈った。

会議には京都地方気象台の築山秀治次長らも出席した。築山次長は、台風はゆっくり進んでいるとした上で、31日午後から9月2日ごろにかけて府内に接近する可能性があると指摘。影響が長期に及ぶ恐れもあるとした。

西脇知事は府民に向け、高齢者ら避難に時間を要する場合は早めの避難を心がける▽避難場所や経路、非常用持ち出し袋などを確認する▽最新の気象情報などに注意して不要不急の外出を避ける-などの対策を呼びかけた。その後の定例会見で西脇知事は「府民の安全が最優先。『空振り』覚悟で早めの対応ができるようにしたい」と述べた。

「憩いの場」も対策急ぐ

屋外に設置された巨大な野外水槽がシンボルの花園教会水族館(京都市右京区)では、運営する牧師の篠澤俊一郎さん(44)が台風接近を前に、野外水槽の被害を防ぐための対策を進めた。

篠澤さんはボランティアの専門学校生と2人で、水温を調節するサーキュレーターや冷風機などの機材をテープで水槽に固定。また水槽全体をブルーシートで覆っていった。日よけのカーポートもベルトなどを使って水槽に結び付けて補強した。

「水槽自体はアクリルで割れないですが、破片とかが飛んできて傷が付いたら大変なので」(篠澤さん)。普段は子供たちや近隣住民の憩いの場となっている野外水槽。台風が近づくにつれ、水槽の生き物への被害を心配する声が多く寄せられたという。

水族館が併設されている教会の建物は以前台風で大きな被害を受けたことがある。篠澤さんは「(今回は)何もないといいですけどね」と話した。(田中幸美、荻野好古)

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