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「元の生活に戻れるの」避難者減少も下水道利用制限続く 埼玉・八潮の道路陥没事故1週間

産経ニュース 2025年2月4日 17時3分

埼玉県八潮市で県道が陥没し、トラックが転落した事故が発生してから4日で1週間が経過した。

この間、県や市は現場周辺の安全点検などを実施。事故現場の穴から半径200メートル以内を「自主避難区域」に設定して、180人が避難したが、避難区域を縮小した。避難所に身を寄せる人数は同日午前9時時点で6世帯12人に減少している。

ただ、避難生活を強いられている住民からは「元の生活にいつ戻れるのか」との不安な声も聞かれるほか、周辺12市町の下水道の利用制限は続いている。八潮市では、「心身ともに不安定な避難住民の体調管理に気を配っている」(大山忍市長)。

4日、八潮市の事故現場周辺の住民からは、生活に影響が出ている様子が浮かび上がった。

避難要請が出ている区域内に自宅がある、主婦の和田延さん(78)は、県から救出に向け下水の利用自粛要請が出た後は、食器の洗い物や洗濯の水を大きなボールにいったんためたあと、自宅の庭に流している。入浴は「子供の車に乗せてもらい、草加の銭湯に行っている」という。

区域近くの主婦、黒坂清江さん(67)は「運転手さんの命が一番大事。ただ、早く陥没現場が復旧しないと通行止めの場所が多く、食べ物を買うにもいつもの3倍以上の時間がかかる」と悩みを打ち明けていた。

陥没現場付近の飲食店の状況も深刻だ。八潮市役所近くの居酒屋「まんま亭」は同日、ランチタイム営業時間を30分早めて午後1時半に終了。同店主の三村隆之さん(55)は、「夜の時間の客が減った。コロナ禍のときに開店したときに次いで、これで2度目」と深刻な表情をみせた。行政に対し、「早く運転手さんを救出して道路の復旧作業を早急に進めてほしい」と強く訴えていた。

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