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大地震や自然災害 リアルな怖さ疑似体験 県防災学習センター 埼玉「館」巡り

産経ニュース 2024年8月31日 12時0分

ガタガタと床が揺れ、眼前の大型モニターに「震度7」の表示が出る。家具が倒れたり散乱したりする映像が広がり、参加者たちは手すりを握りながら、〝地震〟を疑似体験した。

同センターはリアルな体験に重きを置いており、冒頭のシーンは地震体験のコーナー。ほかに消火体験や煙体験など4つの体験施設を目玉に据えており、令和5年度の体験者数は約11万7千人以上と人気だ。

地震体験に参加した伊奈町の小学6年生、金子銀太君(12)は「実際に家で揺れたらつかまるところもなく怖いと思う」と興奮気味に話してくれた。。

根岸学所長は狙いについて、「足元が揺れ動く疑似体験を通じ地震の怖さを実感。そこから自分の身を守る方法を考えてもらいたい」と話す。

地震コーナーに参加し、体を丸めて両手で頭を守る「ダンゴムシのポーズ」を覚えたある幼稚園児。その後、自宅で揺れが襲った際にとっさにそのポーズを取る動きをしたという。

「後日、母親から園児のことを聞いたが、大人も子供も体験によって意識を変えていってもらえたら」

防災意識を高める試みは館内イベントでも。夏休み中の子供向けの工作イベントでは、新聞紙エコバッグなど災害時の避難所で簡単に取り組める工作に挑戦してもらう。あらかじめ避難所での過ごし方を体験する意味があるという。

ほかに携帯電話の普及でなじみが薄くなった公衆電話の使い方を改めて学ぶイベントも実施された。

センターの2階では具体的な防災のノウハウを展示し、防災関連図書の閲覧コーナーを設置。

最近では動画投稿サイト「ユーチューブ」で防災のイロハの発信に注力しており、館外への働きかけも積極的だ。(柳原一哉)

■アクセスガイド 埼玉県鴻巣市袋30。JR高崎線北鴻巣駅東口から徒歩約20分。月曜休館。年末年始と館内点検のための臨時休館日がある。開館時間は午前9時~午後4時半(入館は午後4時まで)。入館無料。団体予約を受け付ける。駐車場あり。

■埼玉県防災学習センター 愛称は「そなーえ」。豪雨や地震など災害時の対処方法を楽しく体験しながら学習できる施設として平成6年に開館。1階が体験フロア、2階が資料展示など、3階に研修室を備える。令和5年度の来館者数は5万2100人。

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