19日に98歳で亡くなった読売新聞主筆の渡辺恒雄氏は、政治からスポーツ、文化まで幅広い分野での歯に衣(きぬ)着せぬ発言が注目された。
平成22年には「巨人軍は2位じゃいけない。1位じゃなきゃいけない」と発言し、当時の民主党政権の事業仕分けを痛烈に皮肉った。他にも歴代首相の靖国神社参拝を批判、軽減税率を提言するなど、元政治部記者として政界に物申すことも多かった。
一方、平成16年のプロ野球再編問題では、渡辺氏が1リーグ制を実現しようと画策して選手会と対立。反発する選手会らに「分をわきまえなきゃいかんよ。たかが選手が」などと発言し、世間から批判を浴びることもあった。
負傷で戦列を離れた巨人の清原和博選手に対し、「これで(巨人が)勝つ要因が増えた」と言い放つこともあった。巨人のオーナーや球団会長として、勝利に貪欲な姿勢や球団への愛情が発言の背景にはあったが、平成13年の選手らの激励会では「長嶋(茂雄・元巨人監督)は総理大臣より偉い」と発言するなど、言動には賛否があった。