特撮テレビ番組「ウルトラセブン」「帰ってきたウルトラマン」などウルトラシリーズの音楽を多数手がけた作曲家の冬木透さんが26日に死去していたことが30日、わかった。ウルトラシリーズを音楽で支えた功労者の訃報に、ウルトラセブンで主人公のモロボシ・ダンを演じた森次晃嗣さんとヒロインの友里アンヌ役のひし美ゆり子さんがそろってX(旧ツイッター)で追悼した。
森次さんは「素敵な音楽をありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします」とツイート。ひし美さんは「アンヌは撮影当時おみそ的存在(子供扱い)だった・・先生にそう表現されてた」と振り返り、冬木氏の葬儀中に自身の携帯電話の着信音が流れたことを明かし「いやだ〜私ったら幾つになってもおみそ的存在から抜け出せない。先生ゴメンナサイ」と投稿した。
冬木氏はラジオ東京(現TBS)に入社。音響効果の仕事から作曲家デビューを果たした。「セブン、セブン、セブン」で始まるウルトラセブンのオープニング曲をはじめ、劇中歌などを担当。以降のウルトラシリーズや特撮作品の楽曲を手がけた。帰ってきたウルトラマンでは「ワンダバダバダバ」のコーラスが入る防衛組織MATのテーマ曲が視聴者の心をつかんだ。「ワンダバ」はウルトラシリーズBGMの定番モチーフとして定着している。
ウルトラセブンはウルトラマンの人気を引き継ぎながら、SF色を強めたことでファンの年齢層を広げたことで知られる。戦闘だけでなく、宇宙人とちゃぶ台を挟んで対話するなど、異色の展開に今でも熱狂的な愛好家が多く、ウルトラシリーズの人気を確立した。
「シン・ウルトラマン」の監督を務めた庵野秀明氏もその一人で、インタビューでシン・ウルトラマンが3部作構成の企画だったことを明かしている。このため、庵野氏によるウルトラセブンや帰ってきたウルトラマンのリメークを期待するファンも多い。(高木克聡)