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俳優の西田敏行さん死去 76歳 「釣りバカ日誌」ハマちゃん役など庶民派演技で人気

産経ニュース 2024年10月17日 13時21分

庶民的なキャラクターで幅広い人気を集めた俳優の西田敏行(にしだ・としゆき)さん(76)が東京都世田谷区の自宅で亡くなっていたことが17日、捜査関係者への取材で分かった。

捜査関係者によると、17日午後0時半ごろ、西田さんが「ベッドで冷たくなっている」と関係者から110番通報があった。駆け付けた救急隊が死亡を確認した。病死とみられる。

福島県郡山市出身。昭和37年、15歳で俳優を志して上京。日本演技アカデミー昼間部、青年座俳優養成所を経て、45年、青年座座員に。46年、矢代静一作「写楽考」の主役に抜擢されて注目を集め、50年「私はルビー」で芸術祭優秀賞、52年の「写楽考」で紀伊国屋演劇賞を受賞した。

48年、NHK連続テレビ小説「北の家族」の素朴な大工、源さん役で人気をつかんだのをきっかけにテレビにも進出し、NHK大河ドラマ「おんな太閤記」、日本テレビ系「池中玄太80キロ」などに相次いで主演。親近感あるユーモラスな風貌と演技で売れっ子となり、以来、大河ドラマに欠かせない存在となった。

映画では端役が続いたが、54年に「悪魔が来たりて笛を吹く」で初主演。その後、佐藤純弥監督が世界各地でロケした大作「植村直己物語」(エベレスト、北極圏など)、「敦煌」(中国・シルクロード)、「おろしや国酔夢譚」(ロシア)の3本に主演し、「敦煌」で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を獲得。その間の平成元年、人気コミックを映画化した「釣りバカ日誌」で当たり役の“ハマちゃん”と出会い、シリーズ化されてファン層をさらに広げた。

歌手としても56年には「もしもピアノが弾けたなら」が大ヒットし、同年の大みそかには「NHK紅白歌合戦」に出場、平成2年には白組の司会も担当した。舞台では平成6年に森繁久弥のヒットミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」のテヴィエ役を引き継いだ。

バラエティー番組でも、13年から令和元年まで「探偵!ナイトスクープ」(朝日放送テレビ)の局長としてレギュラー出演。近年はドラマ「ドクターX〜外科医・大門未知子」(テレビ朝日系)シリーズや、北野武監督の映画「アウトレイジ」シリーズなどに出演し、今月8日には映画「劇場版ドクターX」の完成報告会見に出席していた。舞台で鍛えた確かな演技力と芸域の広さに加え、ライバルである俳優仲間やスタッフからも“西やん”と呼ばれる人懐こいキャラクターの持ち主だった。

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