昨年11月1日に89歳で死去した本紙「正論」メンバーで評論家の西尾幹二さんのお別れの会が1日、東京都千代田区の星陵会館で営まれた。文化人や編集者、教え子らが出席し、国家観や歴史認識、ドイツ思想など幅広い分野で足跡を残した西尾さんをしのんだ。
「新しい歴史教科書をつくる会」でともに教科書問題に取り組んだ同会の藤岡信勝副会長は「肩書に関わりなく人の発言に耳を傾け、多くの言論人を育てた」と指摘。「西尾幹二という〝最後の知識人〟と同じ時代を生き、さまざまな修羅場を体験したことは人生最大の幸運だった」と悼んだ。
高市早苗前経済安全保障担当相は「結婚や細かい議員立法活動まで見守ってくださった」と振り返り、「先生に約束した憲法改正を進めたい」と誓った。産経新聞社の飯塚浩彦会長は「右にも左にも欺瞞(ぎまん)を許さぬ視点を持っていた」とし、「激動する時代に健筆をふるい、羅針盤となっていただきたかった」と述べた。
また、石破茂首相から弔電が寄せられたほか、ジャーナリストの門田隆将さんや靖国神社の大塚海夫宮司らが出席した。