プロ野球巨人の元オーナーで、今季まで常に日本一へ向けてげきを飛ばしてきた渡辺恒雄氏が19日、亡くなった。巨人関係者は思いもよらない出来事をまだ実感できない様子。球団を通じてコメントした。
渡辺氏が球団から離れても、東京ドームで一緒に観戦することが多かった長嶋茂雄・終身名誉監督は「突然の訃報でした。しばらくは、何が起こったのか、頭は白紙の状態でした。古く長いお付き合いで、巨人を離れても沢山の思い出があります。今、何を話せばよいのか、巨人が勝ったときの渡辺さんの笑顔しか浮かんできません」としのんだ。
原辰徳・オーナー付特別顧問は渡辺氏に生きる指針を授けられた一人。
「私にとって、野球だけではなく、人生においても強い影響を与えていただいた恩師でした。厳しいご指導をいただいたこともありましたし、温かい言葉で励ましていただいたこともあります。渡辺主筆は、私の人生の中で燦然(さんぜん)と輝いた存在です。野球界のため、日本のため、世界のためにご尽力いただき、本当にありがとうございました。心よりご冥福をお祈りいたします」
プロ野球選手から監督と、渡辺氏が注目してきたことを知る阿部慎之助監督は「渡辺主筆には入団当時から温かく見守っていただき、感謝しかありません。叱咤(しった)激励の言葉からはいつもジャイアンツへの愛情を感じていました。今季、主筆に日本一の報告をできなかった悔しさを忘れず、来季こそ必ず日本一を勝ち取りたいと思います。心よりご冥福をお祈りいたします」と、来季頂点に立つことを約束していた。