外為法違反(無許可輸出)罪などに問われ、後に起訴が取り消された「大川原化工機」(横浜市)の大川原正明社長(75)らが東京都と国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審第2回口頭弁論が9日、東京高裁(太田晃詳裁判長)であった。当時、警視庁公安部の捜査員だった現職警察官が捜査の進め方に「問題があった」と証言した。
1審では別の警察官2人が「事件は捏造(ねつぞう)」などと証言。控訴審でも捜査方針への批判が出る異例の事態となった。
社長らは生物兵器に転用できる噴霧乾燥機を無許可輸出したとして起訴され、再捜査の結果、取り消された。
9日に出廷した警察官は、同社側から社長らを立件する理由があったか問われると「組織としてはない。日本の安全を考える上でも全くない」と証言。理由は「(捜査の)決定権を持つ人の欲」にあったと述べた。