洋上風力発電事業を巡る汚職事件で、受託収賄と詐欺の罪に問われた元衆院議員の秋本真利被告(49)と贈賄罪に問われた日本風力開発元社長の塚脇正幸被告(65)の初公判が25日、東京地裁で開かれた。秋本被告は「賄賂には当たらない」と無罪を主張。塚脇被告も「利益供与はしていない」と起訴内容を否認した。
秋本被告は、持続化給付金200万円をだまし取った詐欺罪については起訴内容を認めた。
検察側は冒頭陳述で、塚脇被告が再生可能エネルギーの勉強会などで交流があった秋本被告に、共通の趣味だった競走馬を通じて接近。馬主になるための資金を貸したり、秋本被告の馬の購入資金などを提供したりしたと指摘した。
検察側は、これらの資金が塚脇被告に有利な国会質問を秋本被告にしてもらうための対価だったと指摘。秋本被告が「資金の趣旨を知りながら受け取っていた」とした。
一方、秋本被告は、現金は塚脇被告と共同で設立した馬主組合名義の馬の購入代などに充てるためのもので、「国会質問に対する対価ではない」とした。
起訴状などによると、秋本被告は平成31年2月~令和4年2月ごろ、洋上風力発電事業を巡り、同社に有利な国会質問を塚脇被告から依頼され、計約7286万円の賄賂を受け取ったとされる。