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紀州のドン・ファン元妻に懲役4年6月求刑 別男性への詐欺事件

産経ニュース 2024年7月5日 14時42分

「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家、野崎幸助さん=当時(77)=に対する殺人罪などで起訴された元妻の須藤早貴被告(28)が、別の男性=当時(61)=から現金計約2980万円をだまし取ったとして詐欺罪に問われた事件の論告求刑公判が5日、和歌山地裁(福島恵子裁判長)で開かれ、検察側は懲役4年6月を求刑した。

公判で被告は男性とは「愛人のような関係」と明かし、虚偽の名目で金を受け取ったことは認めたが、「(男性は名目が)噓だと分かった上で、私の体をもてあそぶためにお金を払った」と主張。弁護側は「だまされた」という要件を欠き、詐欺罪は成立しないと訴えている。

一方、5月17日に行われた証人尋問で、男性は「噓だと分かっていたら金を払わなかった」と強調。「(被告に対し)性的な行為を要求したことはない」と反論した。

検察側の冒頭陳述や証人尋問によると、2人は平成26年秋、被告が美容専門学校に通いながら勤務していた札幌市内のキャバクラで知り合った。

被告は「美容師になりたい。学費のためにキャバクラで働いている。親は学費を出してくれない」と説明。これを聞いた男性は「早貴の夢を応援したい」と学費や生活費などとして金を振り込むようになった。被告は男性の要望で店を辞め、月20万円の「お手当」や会った際の「お小遣い」ももらうようになった。

その後、被告は「美容関係の会社の社長に認められ、海外留学できる」「学校で出場したコンテストでモデルの髪を傷めた」などと噓をついて計約2980万円の支払いを求め、男性はこれに応じた。被告は実際には、金を旅行やブランド品の購入に当てていた。

被告は30年2月に「紀州のドン・ファン」と呼ばれた野崎さんと結婚。しかし、野崎さんは同年5月に自宅で死亡した。和歌山地検は令和3年5月、殺意を持って致死量の覚醒剤を野崎さんに摂取させて殺害したとする殺人罪などで被告を起訴した。この殺人事件の公判期日は未定。

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