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原発避難者訴訟、2審は一転して国の責任認めず 大阪高裁、東電のみに賠償命令

産経ニュース 2024年12月18日 18時5分

東京電力福島第1原発事故で避難生活を余儀なくされたとして、福島県などから京都府内に避難した55世帯166人が国と東電を相手取り、計約8億2千万円の損害賠償を求めた集団訴訟の控訴審判決が18日、大阪高裁であった。牧賢二裁判長は、国の責任を否定し、東電のみに92人へ計約1億円超を支払うよう命じた。1審京都地裁は国の責任も認めていた。

同種訴訟では令和4年に最高裁が国の賠償責任を否定する判断を出して以降、国への請求を退け、東電だけに賠償を命じる判決が続いている。

牧裁判長は判決理由で、政府機関が平成14年に公表した地震予測「長期評価」に基づいて一定の高さの津波は予見できたとしつつ、実際の津波の規模は予測をはるかに上回っていたと指摘。国が東電に命じて対策を講じたとしても「事故が発生しなかったであろうと認められない」とし、最高裁判例に沿って国の責任を否定した。

1審は原告110人に計約1億1千万円を支払うよう命じたが、2審ではうち約20人の請求が一転して退けられ、12人への賠償額が減った。弁護団は上告する意向を示した。

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