平成23年の東日本大震災で被災し、関東地方から大阪市の市営住宅に自主避難した50代女性に対し、市が住宅の明け渡しを求めた訴訟の判決が22日、大阪地裁であった。山本拓裁判長は女性に住宅の明け渡しと840万円の支払いを命じた。
また、病気の影響で転居できないのに退去を求められたなどとして、女性が市に220万円の損害賠償を求めた訴訟の判決も同日あり、山本裁判長は市に5万5千円の支払いを命じた。
山本裁判長は、女性が転居可能な状態だったと判断する一方、生活保護を受給する女性に対し、転居先を通院先近くで確保するよう市が指導したのは「過剰」として違法と認定した。
判決などによると、女性は震災を受けて自主避難し、23年5月に被災者向けの市営住宅に入居した。市は29年3月末で住宅の提供が終了することを理由に28年以降、転居を要求していた。