コロナで全国の学校が一斉休校となった年。学校が再開されても、さまざまな活動が制限されていた。
当時、小学校の図書室で働いていた私は、子供たちが「黙食」している姿を見て、なんとか本と結びつけて、子供たちに食の楽しさを伝えられないかと考えた。
そこで栄養教諭の先生に、季節にちなんだ食材が給食の献立に登場するときに、絵本と結びつけて行うことができないか相談してみた。
最初は放送で絵本の読み聞かせをしたあとクイズをだすという案だった。だが、校長先生にそれを伝えると「せっかくなら全クラスに行ってやってみたら」とおっしゃってくださったので、主に図書の時間を使って、全クラスで行うことができた。
放送で行うのとは違い、旬の食材を実際に子供たちに見せながらクイズを出題したり、触ってもらったりすることができた。絵本も実物を提示できた。
「絵本のお話を思い出して食べたよ」。「給食で(旬の食材を)見つけたよ」と子供に言われたときはとてもうれしかった。
子供たちに伝えると同時に、私自身も食の大切さを学んだ。
長畑亜由美(37) 大阪府高槻市