実家の片付けをしていたときに、B4判のプリントと古い写真が見つかった。B判という紙の規格と手書きで書かれた「昭和52年度」という文字。そして何よりもしんなりとした紙の状態と写真のセピア色が長い時の経過を感じさせる。
そのプリントのタイトルは「昭和52年度小学校児童理科発表会」。その年の夏、小学3年生だった私は自由研究を行い、その研究が優秀作品として認められた。他にも数人が優秀と認められ、研究発表を行っていた。プリントには児童の氏名と研究テーマが記され、そのときの児童ら一同が集合写真に納まっていた。
私以外の発表者のうちの2人とは連絡が取れて、プリントと写真を見てもらうことができた。2人とも自分がそんな発表を行ったこと自体の記憶がなく、心底驚いていたし、47年前の記録が残っていたことにはそれ以上の驚きがあったようだ。
スマホなどがなかった時代のことである。プリントは手書きで書いて配られ、写真はもちろん銀塩写真。今なら、スマホだけで処理されそうな情報だが、約半世紀後までそんなデータを保存し続けられるだろうか。こんな貴重な記録を保存し続けてくれた両親に感謝したい。
山田智樹(56) 京都市北区