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苦節17年、4度目の正直で世界遺産候補になった「飛鳥・藤原の宮都」 朗報に沸く地元

産経ニュース 2024年9月9日 19時51分

「4度目の正直が実った」。平成19年の世界遺産暫定リスト登録から17年を経て国内推薦候補に決まった「飛鳥・藤原の宮都」(奈良県)。令和2年から推薦書素案を毎年のように文化庁に提出し、ようやくの朗報に地元自治体の首長は9日、一様に安堵(あんど)の表情を浮かべた。ただし、遺跡保護に必要な史跡指定など残された課題は多く、「世界のASUKA」へさらに気を引き締めた。

「飛鳥・藤原」については暫定リスト登録以降の動きが鈍く、令和2年の最初の推薦書素案提出まで13年もかかった。その間、平成22年に暫定リスト入りした大阪の「百舌鳥・古市古墳群」が令和元年に世界遺産に登録され、地元では「先を越された」状況となっていた。

県と地元自治体は作業を加速させ、推薦書素案を翌2年に続いて3、4、6年とそれぞれ内容を充実させながら提出した。

県庁では、山下真知事や関連自治体の首長が会見。山下氏は「大きな前進。登録実現に向け、引き続き心を一つにして邁進したい」と歓迎した。世界遺産を目指す22の構成資産のうち15を占める明日香村の森川裕一村長は「中国や朝鮮半島と交流し、国をつくりあげたプロセスが認められた。今の世界中で続く戦いに対し、過去に日本が他国と関係性を強く持って取り組んだことが参考になるのでは」と話した。

一方で、遺跡保護の点で課題が指摘された橿原市の藤原宮跡。亀田忠彦市長は「引き続き地権者と話し合い、保護措置に尽力したい」と強調。また、松井正剛・桜井市長は「国の始まりの地域だということを全国に発信するため、しっかり取り組みたい」と述べた。

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