神奈川県内で活躍する書家がジャンルや流派を超えて出品する「産経神奈川百選書展」(主催・産経新聞社、後援・県、横浜市、川崎市など)の第41回展が28日、JR桜木町駅(横浜市中区)前にあるぴおシティ3階の「ゴールデンギャラリー」と「ギャラリー守玄齋」で始まった。
会場には、個性あふれる書体の漢詩をはじめ、流れるような線で書かれた仮名や近代詩、刻字など、101人の書家の作品が並んでいる。21世紀国際書会最高顧問の齋藤香坡さんが書いた「風」など意欲的な作品が多く、午前中から多くの人が足を運び、作品に見入っていた。
また、今年1月に亡くなった同会の前副理事長、片山澄男さんの「継」が遺墨として飾られている。このほか、日露戦争時の旧日本海軍連合艦隊司令長官として知られる東郷平八郎が書いた電文、信号文を特別展示。ロシアのバルチック艦隊の発見を知らせる電文で、決戦に臨む心意気を表したことで知られる「本日天気晴朗波高」(本日天気晴朗なれども波高し)が末尾に記されている。
友人と訪れた横浜市の女性(25)は「文具や紙に興味があって来たが、色んな紙が使われていたり、趣向が凝らされたりしていて、とても楽しい。書道の経験はないけれど、筆の置き方や流れるような線をみていると、字って大事なんだと実感した。どの作品もワクワクしました」と話していた。
入場無料。12月3日まで。午前10時~午後6時(最終日は同5時まで)。