駅に向かうときに必ず利用する歩道橋。最近は痛む膝を気遣い上る階段は「1・2・3…」と自分を励ましながら数えながらが増えた。
あるとき数えながら上がり下りると…「1・2・3…」「68!」。あら、私の年と同じことに気付いた。それ以後、あちこちの階段の数が気になりだし、数えながら階段を上り下りするようになった。
職場の階段は18段、自分の進路を決めた年。駅のホームは26段、結婚をした年だ。マンションの下りは54段、父が亡くなり母の介護が始まった年。リハビリに通う階段は57段、初孫が生まれておばあちゃんになれた年。
階段を下りるのに足が引っ掛かるときもある。荷物が重くて休み休みのときもある。階段の上り下りはその日の体調や気分によって疲れていやになるときがある。
誰かに励ましてほしいなあ…と思うときには「1・2・3…」と数えながら、自分の今までの歩みと重ねて思い返す。こんなにもたくさんの思い出と生きてきたのだ。〝私ってすごい〟
もうすぐ歩道橋の階段より年上になる私。ぼちぼち高齢者の階段を上りましょう。膝は痛いが…(頑張るぞ)。
大槻高子(68) 神戸市東灘区