世界の優れた芸術家を顕彰する「高松宮殿下記念世界文化賞」(主催・公益財団法人日本美術協会=総裁・常陸宮殿下)の第35回受賞者らによる合同記者会見が18日、東京・虎ノ門のオークラ東京で行われた。
今回の受賞者は、絵画部門=ソフィ・カル(71)<フランス>▽彫刻部門=ドリス・サルセド(66)<コロンビア>▽建築部門=坂茂(67)<日本>▽音楽部門=マリア・ジョアン・ピレシュ(80)<ポルトガル>▽演劇・映像部門=アン・リー(70)<台湾>の5部門5氏。
40年前に日本滞在経験があるカル氏は「その複雑さが私にはつかみきれない国だが、私を理解してくれているようだ」と日本での受賞を喜び、コロンビア内戦を創作の原点とするサルセド氏は「世界中で政治的暴力の犠牲となった無数の人々の、受難が認められた受賞だ」と力強く語った。
坂氏は「小澤征爾さんや三宅一生さんら私が尊敬するアーティストも過去に受賞しており、これ以上ない名誉」と感慨を込め、親日家のピレシュ氏は「私は日本から、最も純粋な美意識は日常生活のほんの小さな行為の中に見いだせることを学んだ」と振り返った。リー氏は「台湾出身の私が、この賞を受ける最初の人物となることは大きな誇りであり、深く感謝する」と語った。
授賞式は19日に行われる。