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ジャンル不問のアートの祭典「デザインフェスタ」 楽しみ方自在、見る側も作る側も増加中 現着しました!

産経ニュース 2024年6月19日 20時57分

広い展示場を埋める職人たちと作品の数々。アジア最大級のアートの祭典、通称「デザフェス」ことデザインフェスタが先月、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催された。「アート作品」なら無審査でどんな表現でも出展することができると聞き、その自由さに興味を持った記者が足を運ぶと、想像以上に奔放な世界が広がっていた。

約6500ものブース

イラスト、雑貨、インテリアなどさまざまなアート作品が、ジャンルごとに約6500ものブースで出展される同フェス。ライブペイントやショーステージ、ダンスパフォーマンスなども催され、会場はまさに祭りの雰囲気だ。

販売品であれば、その場で購入することも可能だ。作品制作を体験できるワークショップや、ファッションモデルのように500円でレッドカーペットを1周できるワンコインランウェイなど、作品の鑑賞や購入以外にも気軽に楽しめるコンテンツにあふれている。

「全ての『表現したい』を応援します。」をモットーに、運営会社「デザインフェスタ」がアーティストが自由に表現できる場として平成6年から開催。5月と11月の年2回行われ、今回で59回目を数える。

「曼荼羅」の魅力

写真や絵画のコーナーに、ひときわ目を引く作品があった。黒地の紙に引かれた色鮮やかな線や無数の点が円を成し、一度見たら目を離せないほど、繊細かつ荘厳な輝きを放つ「曼荼羅(まんだら)アート」である。曼荼羅とは、古代サンスクリット語で「円」「聖なる器」という意味を持ち、主に水性ペンやサインペンで描く、緻密なデザインが特徴的な仏画の一種だ。

作者は、普段は大学で事務員として働くHiroyo(ひろよ)さん(59)。30年に「たくさんの作家のハンドメード作品を見たい」と訪れたデザインフェスタで曼荼羅アートに出合い、作者の織葉(おるは)さんのもとで門下生になった。

空間を表す黒い紙を使用し、宇宙やビッグバン、光の広がりをイメージしながら制作している。令和3年には、来場者の投票で表彰される「公募ZEN展」で埼玉県議会議長賞を、翌年には同展でブラジル総領事賞を受賞。

魅力について尋ねると、「小さなものなら3~4時間で完成する。市販のボールペンがあれば簡単に始められるので、たくさんの人に曼荼羅アートを体験してもらいたい」と声を弾ませた。

動員数史上最多

デザフェス広報担当の新井江里(えり)さん(26)は、このイベントに向けてスケジュールを組んで作品を制作する出展者の存在を知ったり、「もっと開催してほしい」という声が届いたりするたびに、大きなやりがいを感じるという。今後は、「来場者にスポットライトが当たる発表の場を増やしたい。海外での開催も考えていきたい」と笑顔を見せた。

今回は、2日間で史上最多となる約11万人を動員。出展側も、年々応募が増えている。出展者も来場者もアートを全身で浴びられるデザインフェスタ。今秋はどんな作品に出合えるのか、今から楽しみだ。(堀川玲)

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