人はみな、生活しているといろいろなことに直面する。ときにはうれしいことや楽しいこと。それに相反してつらいことや悲しいこと、腹立たしいことがある。私がネガティブに陥ったときに必ず訪れる場所がある。それは今年、開港30周年を迎えた関西国際空港の対岸にある、りんくう公園だ。
自宅から1時間半の距離。車を走らせる。多くの時間帯は分単位で飛行機が離着陸する。どこへ行くのかまた、どこから来た飛行機か分からないが、あの大きな鉄の塊が多くの人々やその人たちのさまざまな思いを乗せて飛ぶ。それを見ていると「今、自分が悩んでいることなどちっぽけ」に思ってしまう。
飛行機がエンジンの回転を上げた。「離陸するぞ」。また、空から聞こえてくるエンジン音がだんだん大きさを増すと「下りてくるぞ」と。1時間、長いときで2時間、その繰り返される光景を無になり、身体全体で感じる。
また、1機の飛行機を飛ばすために多くの関係者が携わっている。その1個でも欠けると離着陸できない。
一つ一つの力が集結し、安全に多くの人々を乗せ、大空へと飛び立つ。そう思うと「私自身も微力であるが頑張ろう」と自らを充電し、新たな気持ちで明日を迎える。
脇本嘉徳(44) 奈良県広陵町