神奈川県自然環境保全センターは、来年春の花粉の飛散量について、スギは例年より「多い」とする予測をまとめた。花粉を飛散させる雄花について、着花の程度によって点数で評価する着花量調査を実施し、判断した。今夏が記録的な猛暑だったことなどが要因と推定している。ヒノキは例年並みとした。
同センターでは、県内のスギ林30カ所、ヒノキ林40カ所で同調査を実施。スギでは、平均着花点数が67・3点となった。昨年は46・1点だった。調査を始めた平成9年以降の28年間の平均点(46・6点)を上回り、過去5番目に高い値となった。
スギの着花量は夏が猛暑になると多くなる傾向にあり、7~8月の記録的な暑さなどが要因として推定されるという。また、前年の着花量がやや少なかったことも、今年の着花量が多くなった一因に挙げている。着花点数と花粉飛散量との間には高い相関関係がみられるといい、来春の花粉飛散量は例年よりも多くなると予測した。
一方で、ヒノキでは平均着花点が47・7点で、昨年の53・4点を下回った。平均点(46・0点)に近い数値となったこともあり、花粉飛散量も例年並みと予測された。