居酒屋などを手がけるワタミは29日、ITを活用したヘルスケア事業会社「おいしい健康」と協業した調理済み宅配弁当「ワタミdeおいしい健康」を、12月2日から本格販売すると発表した。ワタミとしては糖尿病などの食事管理に対応した初の商品で、宅配料込み1食690円(税込み)。食事療法に本格参入し、10年後に1日あたり10万食の販売を目指す。
厚生労働省の調査によると、全国で糖尿病が強く疑われる人は2022年現在で約1400万人おり、25年前と比べ約2倍に増えている。ワタミは、食事宅配サービス「ワタミの宅食」を運営し、毎日23万食の調理済み宅配弁当を製造・宅配しているが、糖尿病患者のような食事管理のニーズが高まっていることも踏まえ、今回の商品開発につなげた。
献立は日替わりで、130万人が利用する「おいしい健康」のアプリで人気の高いメニューを採用する。毎日23万食以上を作るワタミの自社工場で製造し、月~金曜まで担当スタッフが購入者の自宅まで届ける。今月25日からテスト販売を開始しており、すでに1万2000食を突破しているという。
今年度のワタミの中間決算で宅配事業の売り上げは202億円にのぼり、ワタミグループ連結売上の46%を占めている。ワタミの渡辺美樹会長兼社長は東京都内で開いた記者会見で「思った以上に評判がいい。世の中に求められている商品。多くの方に喜んでもらえる」と語った。