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微・低アルコール飲料に潜む危険性、飲み過ぎると酔う 運転もダメ 適正飲酒推奨で注目

産経ニュース 2024年9月9日 16時32分

適正飲酒の風潮の高まりを背景に、アルコール度数の低い「低アルコール」や「微アルコール」の酒類市場が活気づいている。9日にはキリンビールがアルコール度数3%の低アルの新商品を9年ぶりに発表した。8月末にはアサヒビールやサッポロビールなど5社が度数1%未満の微アルに特化したビアガーデンを開くなど、消費者が飲む機会は増えている。ただ、度数が低いとはいえ、杯を重ねると微アルであっても酔う危険性がある。度数1%未満は酒税法で「ノンアルコール飲料」に分類されるものの、飲んで運転すれば飲酒運転に当たる。

杯重ねればアルコール摂取量も倍増

キリンが9日に発表した「キリン 華よい」(24日発売、価格167円前後)は、缶酎ハイやサワーなど栓を開けてすぐに飲める「RTD」(レディー・トゥー・ドリンク)の新ブランドだ。普段お酒を飲まない若年層をターゲットに、適度な飲み応えを実現するため、アルコール度数は3%にこだわった。

低アル飲料の明確な定義は決められていないが、同社では「度数1~4%未満」としており、「華よい」ブランドは同社が販売する唯一の低アル商品となる。「酔い過ぎを気にせずにお酒を楽しみたいというニーズの高さを受けて商品化した」(松村孝弘RTD戦略担当カテゴリーマネージャー)。

とはいえ、「低アルであっても、飲み過ぎると酔っぱらう危険性がある」(同)という。例えば、度数3%でも2杯飲むと純アルコールの摂取量は度数6%の飲酒と同等になる計算で、杯を重ねる度にアルコール摂取量は増加する。

法律上ノンアルでも飲酒運転に

飲酒による健康障害リスクを示した厚生労働省の飲酒ガイドラインが2月に公表され、最近は過剰なアルコール摂取を防ぐ「適正飲酒」が推奨されるようになった。そうした中、低アルよりもさらに度数の低い「微アル」という新ジャンルも確立されつつある。

低アル同様に微アルも明確な定義はないが、アサヒでは度数1%未満を微アルと定義しており、同社が販売する「アサヒ ビアリー」は度数0・5%だ。一方、サッポロは微アルコールを「アルコール度数0・00%超1%未満のもの」と定義している。

日本の酒税法で酒類の定義は「アルコール度数を1度以上」と定めており、これらの微アル飲料は法律上は「清涼飲料水」に該当する。

ただ、わずかな量であってもアルコールを含んでいる以上は飲んで運転すると「飲酒運転」に当たり、検挙される可能性もある。そのため、各社は微アル飲料について、ホームページ上で「微量ながらアルコールが含まれるため、運転される方は飲用をおやめください」「妊娠・授乳期の方は飲用をおやめください」などと注意を呼び掛けている。(西村利也)

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