平将明デジタル相は29日までに、産経新聞などの取材に応じ、12月2日の「マイナ保険証」への移行を予定通り進める意向を示す一方、感染症の流行時や震災発生時の行政対応に必要だとして、マイナンバーカードのさらなる普及に意欲を示した。発言の概要は以下の通り。
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新型コロナウイルスの感染が世界で拡大した際、台湾でオードリー・タン(唐鳳)氏という天才大臣が速やかなマスク入手を手助けして話題になった。マスクがどこの薬局で手に入るか、リアルタイムでスマートフォンで分かる地図アプリを開発した。
だが、タン氏が日本のデジタル担当大臣だったとしても同じことはできなかった。台湾の健康保険証にはICチップが入っており、それを使ってマスク配給を管理した。一方、当時の日本ではICチップの入ったマイナンバーカードの所持率は十数%だった。
その時、私はマイナカードが普及していないことには話にならない、という強い思いを持った。パンデミック(世界的大流行)はいつ来ても不思議ではないし、自然災害も各地で起きている。首都直下地震や南海トラフ地震が想定される中、行政機能を強靭化するためにもデジタル化は必須だ。
マイナカードに保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」への移行を予定通り、しっかり進めていく必要がある。40兆円に上る医療費全体を適正化する必要もあり、(得られる)データから新たな価値も生まれてくる。
マイナカードを持っていない人には「資格確認書」を配布して当面利用できるようにするなど、一通りはカバーできている。今までは登録を促すキャンペーンをしていたが、不安を持つ人に寄り添った広報にシフトしていきたい。
利用シーンの拡大が普及のカギを握る。マイナカードに安全にポイントなどをチャージして買い物ができるようにすることも(技術的には)可能だ。地方創生や景気対策に生かすなど、さまざまな設計ができるので、(それが進めば)さらに利用シーンが増えてくると思う。
(万福博之)