他人に簡単に打ち明けられないのが、さまざまな悩みごと。山形市は12日から、傾聴型生成AI(人工知能)と専門職の相談員のいずれかを選べるハイブリッド型のLINE相談をスタートさせた。相談相手を選べるのは、全国でも初めてという。
山形市が運用するのはLINE相談「つながりよりそいチャット」。同市に在住・在勤・在学し、孤独や孤立の悩みを抱えている人が対象で、LINE公式アカウント「つながりよりそいチャット」に友だち登録し、チャット形式で必要事項をアンケートに回答したうえで、相談相手を生成AIか相談員から選択する。
相談員は社会福祉士や臨床心理士、保健師、看護師などの「プロ集団」が1日最低1人以上で、平日午前9時~午後6時までチャットで相談を受け付ける。
ただ、生成AIを選択した場合でも、相談員がチャットのやり取りを見て必要と認めた場合は相談員が応対するという。また、「死にたい」などの緊急ワードがあった場合は、相談員と市が情報を共有し、支援に乗り出す。市が昨年、約2週間の短期間で試行的に実施した際は、176人の登録で80人の相談を受け付け、計1672件のやり取りがあったという。
佐藤孝弘市長は「相談窓口のハードルを下げたかった。対面だと話しにくいこともある。ここを入り口として、さらに細かい相談に応じたい」と話している。