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男性型脱毛症AGAの治療薬 不安をあおらず、副作用含めて正しく理解を きょうからヘア活

産経ニュース 2024年7月25日 9時0分

誰でも媒体にアクセスし、情報を探せる時代になりました。その半面、AGA(男性型脱毛症)に関しては、不安をあおるような表現や媒体により見解が異なるのを見受けることがあります。また複数の薬の情報を混同している場合もあり、閲覧には注意が必要です。取捨選択できず何を信じればと悩む人もいるでしょう。今回はよく質問されるAGA治療薬の副作用について説明します。

まずは内服薬「フィナステリド」です。脱毛の進行を遅らせ、現状の毛量をなるべく維持する働きがあります。一方、副作用として性欲減退、勃起(ぼっき)機能不全や精子数や精液量の減少、肝機能障害などがあります。しかし必ずしも高確率で起きるわけではありません。臨床試験では安全評価対象276例中、副作用を認めたのは約4%でした。

また毛の本数を増やす「発毛薬」として人気の高い「ミノキシジル」には、頭皮に塗布する外用薬と、内服薬があります。

外用薬は半年以上の使用で次第に発毛が起こりますが、より多くの発毛を促すには内服薬が効果的です。

吸収過程の違いから、両者の副作用は少々異なります。外用薬は皮膚から吸収され、一部の人の頭皮ではアレルギー反応である接触性皮膚炎が生じ、かゆみやピリピリとしみることがあります。また、初期脱毛を自覚される人もいます。

内服薬は消化管から吸収され全身の血管を巡るため、発毛効果が高い一方で、副作用も多様です。主なものに、初期脱毛、体毛やニキビの増加、顔や手足のむくみ、動悸(どうき)、肝機能障害などが挙げられます。

初期脱毛は、治療開始数週間~2カ月の頃、毛周期が「休止期」の髪が抜ける現象です。これは発毛前の準備反応で、その後は発毛量が次第に増え、半年~1年で抜けた分を上回る毛量となります。体毛増加は、成分が全身を巡るためです。内服量が多すぎる場合や、ミノキシジルに反応しやすい体質の人には血流量が増加してむくみや動悸、めまい、頭痛が現れることも。日常生活に支障をきたすことは非常に稀(まれ)ですが、用量の調整や休薬が必要な場合もあります。症状があれば、医療機関で医師の指示を仰ぎましょう。(Dクリニック新宿 医師 杉田淳)

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