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<書評>『今日も明日も負け犬。』小田実里著

産経ニュース 2024年7月21日 9時20分

自律神経の病気「起立性調節障害(OD)」。睡眠のリズムが乱れ、めまいや倦怠感も起こる。本作はODのため中学に通えなくなった友人の実話を基にしている。

主人公の夏実は、ODにより大好きだった学校生活が一変、生きるのがやっとの毎日に絶望する。しかし、保健室でずっと下を向いているひかると出会ったことで、ある夢を抱く。夏実が起こす小さな奇跡が、患者に勇気をくれる。

思春期に多いODは、不登校との関係も指摘されている。あまり病気として認知されておらず、本作では周囲の理解を得られにくい患者の孤独感も描いている。

(幻冬舎・1650円)

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