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<書評>『西洋文学テーマ・モチーフ事典』 ホルスト・S・デムリヒ、イングリッド・G・デムリヒ著 川東雅樹訳

産経ニュース 2024年7月21日 9時40分

騎士道冒険、聖杯、迷宮、放蕩息子、復讐-。西洋文学の主題や題材を見出し語として、概念や関連作品における役割などを比較文学研究者が詳述。その語が物語をどう動かしてきたかを例示した。

例えば錬金術師については、作家たちが夢想家や奇人、悲喜劇的人物などとして表現し、その役割は「出来事の理由を説明し、さまざまな反応を引きおこし、そして喜劇的な性質によってコントラストを作り出すところにあった」としている。約160語を収録。日本の異世界ファンタジーで使われる語も少なくない。文学の鑑賞や研究のほか、創作にも役立ちそうだ。(国書刊行会・1万3200円)

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