昨年論壇デビューした前駐豪大使と産経新聞のコラム「石平のChina Watch」でもおなじみの中国出身の評論家による対談本。親中派ならぬ辛中派の2人が「日中友好」の4文字に長く呪縛されてきた対中外交を縦横無尽に斬る。
令和6年版外交青書で5年ぶりに復活した日中の戦略的互恵関係も俎上に。4年に決定した国家安全保障の基本方針に中国の動向を戦略的挑戦と明記しながら、戦略的関係を結ぶことを、自己矛盾そのものと指摘した。用語を巡る違和感が氷解する。外交ビジョンを示した安倍晋三元首相亡き後、日本外交の強靱性をいかに高めるかも提言。(Hanada新書・1089円)