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<話題の本>映画に合わせ再出版 再評価高まる加藤和彦 『あの素晴らしい日々』

産経ニュース 2024年7月14日 8時0分

『あの素晴らしい日々』加藤和彦・前田祥丈著、牧村憲一監修(百年舎・3300円)

没後15年、昭和後期から平成に活躍した音楽家、加藤和彦(享年62)が再評価されている。本書は牽引(けんいん)役のひとつ。表題は代表曲「あの素晴しい愛をもう一度」にちなむ。副題「加藤和彦、『加藤和彦』を語る」の通り影響された音楽とその遍歴、さらに人生観をつまびらかにした。

版元によると、5月に発売すると売れ行き好調で3日後に増刷が決定。今月10日に3刷が発行された。

自身が率いたサディスティック・ミカ・バンドは昭和50年、日本のロックバンドとして初の英国ツアーを成功させた。最先端かつ多彩な加藤の足跡は日本の音楽史そのものだ。

加藤について、YMOの高橋幸宏の「もう少し評価されてもいいよね」がきっかけで制作されたというドキュメンタリー映画が5月に公開。レコード会社で加藤と仕事をしたことがあり、高橋と同じ考えだった版元の杉岡中社長が絶版になっていた貴重な10万字ほどのインタビュー集を映画に合わせて再出版した。

杉岡社長はレコード会社を経て角川書店(当時)に入社し「短歌」編集長などを務め、3年前に「100年後の読者にも愛される本をつくる」と百年舎を設立、「加藤さんの音楽とともにこの本も100年後に残っていてほしい」と願う。(斎藤浩)

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