〈書評〉『うるうる白書』 TARAKO著

3月に63歳で亡くなったアニメ「ちびまる子ちゃん」のまる子役を務めた声優のエッセーを追悼出版。はまり役に出合うまでには下積みがあった。「デビュー当時だったとしたら、ひょっとして鼻たーかだかーっになってたかもしれない（中略）足はいつでもしっかりと地上にあったのだ。下積み時代に感謝」。著者の人柄がうかがえる。

ナレーションのキートン山田さんによる解説には「まる子よ、順番が違うだろう。友蔵（まる子の祖父）が先である。後半へ続く」との一文が。おなじみの語り口が聞こえてきた。約30年前刊行の単行本の文庫化。（河出文庫・990円）