全国の書店員による投票で決まる「2025年本屋大賞」のノミネート作品が3日発表され、産経新聞夕刊(大阪本社版)で連載された早見和真さんの「アルプス席の母」(小学館)など10作品が選ばれた。大賞作品は4月9日に発表される。
「アルプス席の母」は野球に打ち込む息子を持つ、シングルマザーの目線から高校野球の世界を見つめた作品。強豪校を支える父母会の内幕といった、球児たちを取り巻く大人たちの思惑を生々しく描いた。
このほか候補作には、昨年本屋大賞を受賞した宮島未奈さんの「成瀬は天下を取りにいく」(新潮社)の続編となる「成瀬は信じた道をいく」(同)などが選ばれた。
書店員が「最も売りたい本」を決める本屋大賞は今年で22回目。今回は令和5年12月から6年11月までに刊行された日本の小説が対象で、書店員による2度の投票で受賞作を決める。
今年の候補作は次の通り。
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早見和真「アルプス席の母」(小学館)▽阿部暁子「カフネ」(講談社)▽山口未桜「禁忌の子」(東京創元社)▽一穂ミチ「恋とか愛とかやさしさなら」(小学館)▽野崎まど「小説」(講談社)▽金子玲介「死んだ山田と教室」(講談社)▽恩田陸「spring」(筑摩書房)▽朝井リョウ「生殖記」(小学館)▽宮島未奈「成瀬は信じた道をいく」(新潮社)▽青山美智子「人魚が逃げた」(PHP研究所)