まちづくりや防災の研究者らが大きな災害に見舞われた地域を歩き、ハード、ソフト両方の復興や減災の取り組みを紹介している。
繰り返し津波に襲われてきた和歌山県広川町で平成15年に始まった「稲むらの火祭り」。人々がたいまつを持ち練り歩く道は、安政の津波(1854年)の際の避難ルートに当たり、避難訓練でもある。三重県の集落では孤立と断水を想定し、昔使われていた石組みの貯水槽に水をためる訓練を兼ねて、流しそうめんを開催した。
災害から地域コミュニティーをどう守るか。日常の中で防災力を高める必要性を再認識させられる。(学芸出版社・2750円)