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<書評>『国際情勢でたどるオリンピック史』村上直久著 村上直久著

産経ニュース 2024年7月28日 7時20分

国際情勢を反映してきた五輪の歴史や時代背景を解説した一冊。

第4章「ナチスの祭典」は、ヒトラーがドイツ(アーリア)民族の優秀さを誇示しようとしたベルリン大会。第7章「人種差別とテロの悲劇」では、米黒人選手が人種差別に抗議したメキシコシティー、イスラエル選手団宿舎が襲撃されたミュンヘン、南アフリカの人種隔離政策に抗議しアフリカ諸国がボイコットしたモントリオールの各大会を扱う。

モスクワ、ロサンゼルス両大会の第8章「冷戦下のボイコット合戦」なども読んだ後でパリ五輪を観戦すると、「平和の祭典」への見方も変わるかもしれない。(平凡社新書・1210円)

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