俳優の高倉健さん(享年83)が亡くなって今月で10年。著者は、健さんに17年寄り添ったパートナー。かつては100%外食で足りない栄養素はサプリメントで補っていたという健さんの食生活を手料理で改善し、名優を支えた。
常温か温かいものが好みで冷ややっこも食べない。子供の頃に食べさせられた魚の小骨が喉に刺さった経験から魚は苦手で、毎日の主菜は肉中心。生ものはあまり口にしなくても卵かけご飯は別…。そんな健さんの「ごちそうさま。おいしかった」の余韻に背中を押され、約200品の家庭料理で穏やかな日常を振り返ったフォトエッセー集。(文芸春秋・3300円)