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書籍を通じたコミュニケーション装置「ほんのれん」が大学図書館に初設置

産経ニュース 2024年7月4日 20時0分

本を媒介にしたコミュニケーション装置「ほんのれん」が、大阪経済大学(大阪市東淀川区)の図書館に設置された。毎月出される問いかけに、学生らは「本」と「対話」で思考をめぐらせる。オフィスなどで設置されているが、大学では初めて。

ほんのれんは、150年以上にわたって教育・科学・文化に携わる「丸善雄松堂」(東京)と、選書や本棚空間プロデュースを手がける「編集工学研究所」(同)が共同で運営。学校やオフィスの図書空間の活性化のために開発した。

たたみ1畳分の本棚には、「百考本」と呼ばれる100冊の本が置かれ、棚の上の空間には「『働く』ってなんだ?」「『場』にはどんな力がある?」「お金って何だ」などの問いが毎月出される。テーマに沿って厳選された「旬感本(しゅんかんぼん)」5冊がセッティングされており、本棚を囲んで自然に議論を交わせるようになっている。

大経大では昨年9月、図書館1階に教育・学習支援センターを併設。学習支援のさらなる活性化を図り、図書館の利用度を高めるために、ほんのれんの導入を決めた。

また、授業「キャリアと仕事」でも、ほんのれんの仕組みを活用。キャリア教育に関する本が学生約50人に渡され、仕事や就職などについて意見を交わした。経済学部2年の玉置歩久斗(ほくと)さん(19)は「短時間で新たな発見があった。すきま時間で読書をすれば就職活動にも生かせそう」と話していた。

同大学によると、今後はほんのれんを活用した意見交換会などのイベントなどの企画も検討しているという。

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