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首都圏今春の中学受験率、過去最高の23%超 関西圏でも過去10年の最高を更新

産経ニュース 2024年8月8日 18時37分

東京と千葉、埼玉、神奈川の1都3県でこの春に行われた中学入試の受験率が23・31%となり、過去最高となったことが8日、大手学習塾の調査で分かった。関西圏の2府4県でも10・6%と過去10年間で最高を記録した。子供の負担を軽減する1教科だけの入試を取り入れるなど受験しやすい環境づくりが進んでおり、これまで検討していなかった家庭にも受験が広がっているとみられる。

栄光ゼミナールによると、首都圏で国私立校と公立中高一貫校を受験した小学6年は約6万7400人。学年全体に占める割合(受験率)は前年度から0・4ポイント伸びた。

1990年代の受験率は推計で15%前後だったが、その後、上昇傾向が続いてきた。少子化で子供の数は減っているものの、受験者数が維持されている。

サピックスによると、大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山の2府4県でも統一入試日の1月13日(午前)の受験率は前年度比0・2ポイント増えた。

近年の受験率アップの背景には、入試の多様化によって受験に挑戦しやすい環境が生じていることがあるとされる。

首都圏では4教科(算数、国語、理科、社会)か2教科(算数、国語)、関西圏では4教科か社会を除く3教科での入試が一般的だ。現在もこの方式の利用が多いが、算数や国語、英語など1教科だけで合否判定する方式が増えている。

中学受験では小学3年生ごろから塾通いを始める家庭も多いが、学力を上げられず途中で断念する子供もいる。1教科であれば負担が少なく、高学年からでも受験を視野に入れることができる。

公立の中高一貫校に多い「適性検査」と呼ばれる教科横断型の入試を取り入れる私立中もあり、公立進学校の志望者が併願しやすくなっている。

また、東京都や大阪府での私立を含めた高校の授業料無償化の動きが今後、受験率を押し上げる可能性もある。(玉崎栄次)

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