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近畿大講師の豊永耕平氏「中学受験、メリット見極めを」 首都圏の受験率が過去最高に

産経ニュース 2024年8月8日 18時43分

東京と千葉、埼玉、神奈川の1都3県でこの春に行われた中学入試の受験率が23・31%となり、過去最高となったことが8日、大手学習塾の調査で分かった。その背景などを、近畿大講師の豊永耕平氏(教育社会学・社会階層論)に聞いた。

親世代にも中学受験経験者が増えている。自らが得た学歴を子供に継承させようとする教育投資の行動によって、受験率が押し上げられているのだろう。一般的な公立校に比べて私立校の方が教育内容が明確に示されている。保護者に安心感を与えており、中学受験が親子間で繰り返されやすい構図となっている。

私立中では、大学進学に向けて有利となる情報を効率的に得られるという利点がある。一方、人格が形成される中高生の期間を同質性の高い環境で過ごすことで、自分とは異なる環境に属する人間と接点を持ちにくく、視野を狭めやすいというマイナス面もある。

統計的な調査では、高学歴な母親が中学受験を戦略的に主導する傾向があることが明らかになっている。子供本人の意向以上に保護者の判断が大きいといえる。家庭単位で受験に臨むため、親が子供にきつくあたり子供も反発するといった親子間のトラブルや、方針などを巡って夫婦間に確執が生じるリスクもある。メリットとデメリットを見極めた上で受験を検討する必要がある。(談)

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