大手予備校の河合塾は19日、2025年度大学入学共通テストの「理科」の「物理、化学、生物、地学」について、分析を明らかにした。分析内容は次の通り。
【物理】
第2問の単振り子の周期をレーザー光とオシロスコープを用いて測定する実験問題では、誤差についても問われるなど、実験に関する理解が求められた。一方、昨年と比べて資料について分析する力を問うような問題は減少し、分野をまたいだ融合問題も出題されなかった。分量は昨年に比べ増加し、全分野から出題され、原子は小問集合で出題された。全範囲を偏りなく学習する必要がある。
【化学】
化学の全範囲から満遍なく出題された。海水からの塩化ナトリウムや淡水の製造、化学発光、昆布や地下水からのヨウ素の製造、原油の分留と利用、高分子の合成など、人間活動と関連する題材の問題が多くみられた。問題文やグラフ・図から必要な情報を読み取
り、解答に至る手順を設定しながら原理・法則を当てはめて計算したり、適切なグラフを判断したりするなど、思考力が重視された。
【生物】
新課程になったが、問題の傾向は大きく変わらなかった。大問数が6題から1題減少して5題になり、小問数、問題ページ数、マーク数もやや減少した。知識問題の割合が減り、考察問題の割合が増えた。第1問は神経、進化、遺伝子など複数の分野にまたがって出題された。第4問に示された実験は、教科書の知識に基づいて考えれば、比較的容易に理解することができたであろう。
【地学】
大問は5題、マーク数は27で昨年と同じであった。第1問は例年同様、一つのテーマに沿った総合問題で、さまざまな地学現象の測定・観測についての考察問題が出題された。全体的に、図やグラフを読み取る問題が中心であった。昨年、一昨年と比較すると、知識のみで解ける問題がやや増加したが、詳細な知識を要求される問題は少なく、全体として解きやすかった。