令和5年度に県内の公立小中高校と特別支援学校で認知されたいじめの件数が4万4274件となり、過去最多を更新したことが、県教育委員会が発表した「児童・生徒の問題行動・不登校等調査」で明らかとなった。公立小中学校では、年間30日以上の長期欠席者の中で不登校の児童・生徒数も、2万3629人で過去最多となった。
県教委によると、いじめの認知件数は前年度比で6187件増えた。内訳をみると、小学校が同比5016件増の3万6885件、中学校が同比1141件増の7058件、高校が同比24件増の224件、特別支援学校が同比6件増の107件。そのうち、心身に重大な影響が生じた疑いがあるなど「重大事態」と認定されたのが同比8件増の22件だった。
公立小中高校での暴力行為の発生件数は、同比で2251件増の1万1792件だった。
いじめの認知件数などが増加した理由について、県教委は昨年度から導入した、アンケートを行って課題のある児童・生徒を把握する「かながわ子どもサポートドック」の取り組みなどに触れ、「子供の抱える困難をキャッチし、早期発見につなげられたことが、増加の要因の一つ」とした。
また、公立小中学校で不登校の児童・生徒数は、同比で3306人増加。一方で、公立小中高校における児童・生徒の自殺者数は、同比で11人減の21人となった。