皆様、あけましておめでとうございます。数年前ならこの頃は年賀状の整理をしているところなのですが、すっかり様相が変わりました。
年賀状の発行枚数が10億7千万枚で昨年より25%減少というニュースがありましたが、私も一昨年を最後に両親以外の年賀状をすべてやめました。そういう時代ですね。お世話になったある方にお歳暮を贈ると、「桜井さん、いまの時代はもうそんな事しないですよ。お気遣いなく」ということでした。
ある個人塾の先生からも同じようなお話を聞きました。10年ほど前までは、毎日何個も自宅に持って帰るほど生徒さんの保護者の方からお歳暮が届いたそうです。ところが、あるときを境に激変、最初は手ぶらでご挨拶だったのがとうとうご挨拶もなくなったそうです。お歳暮やお年賀の有無で指導が手厚くなったりはしないでしょうから、その方が手間が省けていいのでしょう。
さて、間もなく受験が始まります。今回は関西も東京・神奈川も土日が試験日になりますが、くれごれも5年生の見学はやめてください。
来年に備えて緊張感を見せておきたいという気持ちはわかりますが、受験生親子にとって1ミリのアクシデントも困るのです。下見なしで初めてその日を迎えている子も多いのです。同じ条件で来年受験してほしいと思います。
受験生の中には大手塾に通っている子ばかりではなく、個人塾や通信教育の子もいるでしょう。受験本番の服装などのノウハウがなくて失敗することもありますから、気を付けてください。
この時期は寒いですから当然防寒対策をするわけですが、厚着は重ね着にすること。というのも、教室は意外と暖かいと思います。その際、1枚がぶ厚かったり、脱ぎ辛かったりすると、暑くて集中できません。
また、文字の書いた服はNGです。ユニクロなどに無地の服が売っていますから、しっかりと準備しておいてください。会場まで手袋を着用すること。ポケットに手を入れて歩かないこと。腕時計は絶対に音が鳴らないものを準備して、机の上に置くのか腕にはめるのか決めておくこと。
シャーペンを使う子も鉛筆は準備しておくこと。シャーペンって肝心なときに壊れることがあります。消しゴムは2個。仮に机から落ちても拾いに行かない。解答用紙には計算など答え以外のことを書いてはいけないところが多いと思います。そこも親がしっかり確認です。
また、今の注意点を直前に言うのではなく、数日前に済ませてください。直前は涼しい顔をして「本人と受験票さえあれば、あとは何とでもなる」と言ってあげてください。
そして一番重要なことはこれ。途中どんなに難しい問題があっても、解けなくて泣きそうになっても、これはさすがにダメだと思っても、粘って粘って粘り倒す。今まで自分が見せたことのない精一杯を見せること。これが受験なんだと教えてあげてください。
そういえば私も言いました。「おまえの一番の精一杯が見れたら、もういいよ」。そう言い終わると、さっさと試験場に消えていきました。これ、声に出したのか、心の中で留めたのか、実はあまりよく覚えていないんですよね。
筆者紹介
桜井信一(さくらい・しんいち) 昭和43年生まれ。中卒の両親のもとで育ち、自らも中卒になる。進学塾では娘の下剋上は難しいと判断、一念発起して小5の勉強からやり直し、娘のために「親塾」を決意。最難関中学を二人三脚で目指した結果、自身も劇的に算数や国語ができるようになる。現在は中学受験ブログ「父娘の記念受験」を主宰、有料オンライン講義「下剋上受験塾」を配信中。著書に、テレビドラマ化されたベストセラー『下剋上受験』をはじめ、『桜井さん、うちの子受かりますか』、馬淵教室と共著の『下剋上算数』『下剋上算数難関編』などがある。