男女別学県立高校12校の共学化可否をめぐる問題で、一般社団法人「埼玉県立浦和高等学校同窓会」(野辺博会長)は17日、埼玉県教委の共学化推進を方針とした報告書の是正を求める要望書を埼玉県の大野元裕知事に提出した。同会は今後、男女別学を目指す受験生の保護者らを含めた組織を新たにつくり、問題を議論していきたいとしている。
同会によると要望書は、岸田文雄前首相が2月、鈴木宗男参院議員が提出した埼玉県の公立学校のあり方についての答弁書に「学校の特色、その歴史的経緯などに応じて判断されるべきものである」と回答したことを挙げ、県内の別学校の共学化の可否について「高校生や中学生、保護者の意見などを踏まえることが重要である」とした。
県は今年4月、県内の中学・高校生と保護者を対象にアンケートを実施。回答者のうち、高校生の57・2%、同保護者の57・3%が「男女別学校は共学化しない方がよい」と回答した。
知事の委嘱者で構成される県の第三者機関、県男女共同参画苦情処理委員が昨年8月、12校について「早期に共学化を実現すべき」との勧告を県教委に提出。同教委は今年8月に「主体的に共学化を推進していく」との方針の報告書をまとめた。時期については明記していない。
野辺会長は「県教育行政のトップである知事に再考してほしい」としている。