18、19日に行われた令和7年度の大学入学共通テスト。受験終了後には、SNS上で現役生とみられるアカウントの「得点調整頼む」「詰んだ」といった声も散見された。現役生向けの「新課程」科目と経過措置としての浪人生向けの「旧課程」科目間での点差が話題となったが、得点調整は行われるのか。河合塾教育研究開発本部の近藤治・主席研究員に見通しを尋ねた。
得点調整は同一教科の科目間で問題の難易差による有利不利が生じないよう平均点を基準に点差を是正するために行われ、新課程と旧課程の科目間も対象となる。
①20点以上の平均点差が生じた場合、または②15点差以上の平均点差が生じ、かつ段階表示の区分点差が20点以上生じた場合に、試験問題の難易差に基づくものと認められれば得点調整が行われる。
近藤さんは、「まだ断定できる状態ではないが、得点調整はおそらく回避されるだろう」と予想。河合塾の22日時点の分析ではそれぞれの課程の科目間では①と②に当てはまるほどの点差が科目間では生じていないという。
得点調整の可能性があるとすれば、新課程「数学ⅡBC」と旧課程「数学ⅡB」で15点の差が出ているが、「段階表示の区分点差で20点以上の開きが出るほどではないのではないか」との見立てだ。
ただ近藤さんは「万一得点調整が行われたとしても、影響は限定的。慌てないでほしい」とも。数学で得点調整が行われても受験生が得られるであろう得点は数点ほどで、「大勢に影響はそれほど出ない。平常心で臨んでほしい」と話していた。